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「ころべばいいのに」ヨシタケシンスケ ブロンズ新社
ヨシタケシンスケにも当たり外れがある。どれも面白いことは確かなのだが、時として頭でっかちだな、と思う。この絵本もそのたぐいかも。
わたしには、きらいなひとがいる。みんないしにつまずいてころべばいいのに、と思う。でも、誰かを憎んでいる時間がもったいないから、頭の中でいろんなことをして、その気持をなんとかする。嫌いなパワーを使って、面白いことをたくさん考える。大人になっても嫌いな人はいるかもしれないけど、いたっていい。ちゃんと考えたり、そこから逃げたり、向き合ったり、自分で決められるから。
うんうん、そうだよね、とは思う。思うけど、そこまでの持って行き方がどうなんだろう。小さな子が、そこまで到達できるのか?少なくともこの絵本で説得力を持つのか?
ヨシタケシンスケの子供に対する親心とか、願いとかが前面に出てしまって、小さな子の背の高さに見合わないことを書いているような気がする。
2020/10/21