さっちゃんとふくちゃんの5円玉

さっちゃんとふくちゃんの5円玉

64 ドブリン 青林工藝社

伊集院光がラジオで紹介していたマンガ。気になったので近所のマンガ専門店で尋ねたら、あちこち探しまくって10分以上待って、ついに発見してくれた。あって良かった。

絵柄は昭和テイスト。内容も昭和だな。貧しいけれど、心の中は豊かな子どもの物語。でも、いいことばっかりじゃなくて、悲しいことも、うまくいかないこともいっぱいある。なんでこうなっちゃんだろうと絶望することもある。思い返せば、子ども時代ってそうだった。あの頃のそんな気持ちがよみがえる。

子どもは、5円玉ひとつでいくらでも世界を広げられる。広告紙の裏が真っ白なだけで楽しめるし、おいしそうなピザの広告を眺めるだけで、何時間でもおしゃべり出来る。お母さんが喜んでくれるためなら、何でもする。でも、どうしても譲れないこともある。そうだそうだ、そうだったと思い出す。

「たまらないほど孤独な夜にぜひ読んでください」と杉作J 太郎氏が帯を書いていた。そうだ、どうしようもなく淋しくなった夜にはこれを読むと良い。良い漫画であった。