101 三原和人 講談社
三巻まで読んでいた「はじめアルゴリズム」を最終巻まで一気読み。数学の天才少年ハジメがライバルと出会い、師匠と格闘し、恋をし、友情をはぐくみ、最後には人まねではない、自分で創造し楽しむ数学の世界に飛び立っていくという、そりゃもう美しい数学の物語、なんですけどねえ。
数学嫌いのおばちゃんには、想像すらできない世界ではある。世界は数学ですべて計算しつくせるのか、できないのか。できないことが美しいのか、怖いのか。数の世界は本当に美しいのか、わけわからんのか。
年老いた寝たきりの妻を病院に送る師匠のつらさはわかるが、いやいや、介護とはそんなものではないぜ、と言いたくなるリアルな私もそこにはいて。親である師匠に見放されて犯罪に走った息子がどんな思いで自首したのか、そこんとこはいいのかね、と思ったりもして。いやいや、そんなにすべてを求めてもしょうがないだろ、とも思うし。物語は、難しいのう。
とはいえ、面白い漫画であった。