キングダム57~64

キングダム57~64

79~86 原泰久 集英社

旅に出るにあたっての大問題は持っていく本である。足りないと困るし、多いと重い。今回は電車移動が長くてあまり歩き回らない旅なので、いつもなら大きなリュックで出かけるのだが、カートをガラガラ引きずることにした。というわけで、一応、三冊。でも、心もとないのでスマホに入っている電子書籍もあてにする。それでよかった。なんと第一冊目は目的地にたどり着く前にあっという間に読み切っちゃったのだもの。不安になって、二冊目に取り掛かる前に少しだけ電子書籍に手を出す。そう、キングダムである。

人が死ぬ本が苦手な私であるが、キングダムは、基本、人を殺す漫画である。それも、あきれるくらい、すぽぽぽーんと人を切り分ける。まあ、漫画だからねえ・・・。でも、読みたいので、心をうすーく保って、あんまり動じない、感じないようにしながら読む。それでも今回はきつかった。本来の職業軍人ではない庶民の投降兵が多すぎるので、次から次へとじゃんじゃん切り殺して処分するエピソードがたまらなかった。ああ、本当にこういうことが歴史にあったんだろうなあ、人は人をじゃんじゃん殺してきたのだろうなあ、と思わずにはいられなくて、ぐったりしてしまいそうだった。漫画だマンガだ、笑え、忘れろ、と自分に言い聞かせながら読んで、私、何やってるんだろう、と思った。それでも読む。なんでだ。

何冊もの本を読む合間合間に一巻ずつ片付けていったら、帰宅までに64巻まで読んだ。切ない恋もある、悲しい人間模様もある。でも、殺しまくる。人間の罪深さを味わいながら、私はこれからもこの漫画を読むんだろうか。何やってるんだろうねえ、ほんとに。