キングダム73・74

キングダム73・74

16・17 原泰久 集英社

キングダムは、毎回人がぼろクズのように殺されていく物語なのでなかなかつらいのだが、今回の二冊は驚いたことにあんまり人が死なない。そして、戦いも回避する。すごいぞ、こう来なくっちゃ。文官が頑張って一年かけて戸籍を作成するなんてストーリーじゃ人をひきつけないのかもしれんが、私はこっちの方がありがたいぞ。占領した城の城主を斬首しないで重用したりするのもすごく良い。まあ、国家統一とは、こういうことを実現するためなのだよ、ということだ。でも、そんなに歴史は穏やかには進まないけれどねえ。

美人剣士、羌瘣と主人公、信の関係性はなかなか進まない。二人とも将軍になってそれどころじゃないのよね。羌瘣はきょとんとしているけれど、すごく魅力的。でも、怖い人でもある。というわけで、今回はあんまり流血の惨事にならない二冊で、読みやすかった。ああよかった。