トーマの心臓

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2021年11月30日

107  萩尾望都  小学館

「イグアナの娘」の次に図書館で入手できた萩尾望都作品が、これ。最初に連載が始まったのは1974年だという。少女漫画なんて子供相手のきらきらした物語だと思っていたら大間違い、という衝撃作品だったと思う。私はたぶん今回が初読だと思うのだけれど、もしかしたら、高校時代にマンが好きの友達に勧められて最初くらいは読んでいたかもしれない。たぶん、当時の私には無理だったと思う。難解だわ。

少年愛の物語ではない、と萩尾望都 はのちに語っているけれど、確かにこれは少年愛というよりは、愛の物語である。エロスの香りはあまりしない。無いとは言わないけれど。どちらかというと宗教色の濃い、心理的な思春期の物語である。よくこれを漫画で表現したなあ。作者にも編集者にも脱帽する。人の心をここまで深く描き切った漫画だったのか。驚いてしまった。

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サワキ

読書と旅とお笑いが好き。読んだ本の感想や紹介を中心に、日々の出来事なども、時々書いていきます。

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