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「バーナード嬢曰く。」施川ユウキ 一迅社
「オンノジ」の施川ユウキの作品。読書についての漫画と聞いて、読みたくなった。
実はこれ、キンドルで手に入れた。もう我が家の書棚は収容能力の限界を超えている。引っ越しを機にふた棹買ったのになあ。というわけで、本書をキンドルで読んでみたら、なんとなく紙の漫画を読むのと味わいが違うような気がする。私が古いからだろうか。しかし、発注と同時に手に入り、全く場所を取らない、というのはやはり魅力ではある。
で、「バーナード嬢曰く。」なのだが。読書家を装いつつ、実は如何に本を読まずに自分を読書家に見せるかに命をかけているバーナード嬢が主人公だ。愛読書は「名言集」だったりするのもなかなかそれっぽい。
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
『流れよ我が涙、と警官は言った』
『たったひとつの冴えたやりかた』
『愛はさだめ、さだめは死』
『10月はたそがれの国』
『くらやみの速さはどれくらい』
「SFのタイトルって カッコイイの多くて うっとりするわー」
「どうせ 一冊も 読んでないんだろ」
『読まない ほうがアレコレ 想像ができて 楽しいじゃない?」
「一度読んだら もう二度と読む前には 戻れない
読む前の ワクワク感を 失った人に対しては むしろ 優越感を
覚えるわー」
(引用は「バーナード嬢曰く。」施川ユウキ より)
これって屁理屈なんだけど、思わず、おお、そのとおりだな、と思ってしまった。
バーナード嬢を密かに「ド嬢」と呼んでいるツッコミ男子の密かな純情が結構好き。
2014/5/8