モナコ・フランス旅行記5

モナコ・フランス旅行記5

2024年8月28日

とにかくマチス美術館には行けたの巻

そもそもが旅に出る前から、バスの乗り方が難しいことは察知していた。コロナ以降、ニースの公共交通のチケットは全部非接触型カードになって現金は使えない、とネット情報。カードを入手して、それにチャージする。アプリからスマホでも大丈夫、と書いてあったのでアプリをゲットしたものの、どうやってチケットを入手するかがちっともわからない。あれこれ調べていたら、どこぞの旅人が「アプリでニースのバスチケットを手に入れようと頑張ったが、どうにもこうにも訳が分からず断念」と書いているのを発見。これはもう、現地で教えてもらうしかないと腹をくくっていた。幸い、ニース空港からモナコへのバスは国境を超えるのでニースの原則は絶対ではなく、運転手に現金で支払いが可能だった。が、その時点でも、乗り場は不確かだし、時刻表もあいまいで、バスは手ごわいと感じていた。…というのが前提ね。

さて、翌日、出られる試合が本日はないというので、2人でニースに出かけることにした。目的はマチス美術館である。駅まで10分ほど歩く。モナコ駅の入り口が分からなくて右往左往するが、そうだ、地下駅だったんだ、と夫が思い出して、怪しげな入口から入っていってエレベーターに乗ると、ほら、駅に着いた。チケット売り場で「ニース2枚」というとちゃんと買える。GOだけか、BACKもか、というので往復で頼むと4枚チケットをくれた。それを半分こして、ホームに降りる。改札なんてなくて直接入れちゃうのよ。

電車が来て、乗り込む。車両は2階建てになっていて、できるだけ座席に座れるように工夫されている感じ。並んで座る。トンネルが多いけれど、時々美しい地中海が見える。避暑地なんだなあ、きれいなホテルが駅ごとに並んで建っている。

ニース到着。タクシーでマチス美術館へ。ここだよ、と降ろされた場所には考古学博物館があって、マチス美術館はその隣。でも、入り口で親切に教えてもらって、すぐに移動できた。

この旅が決まったときから、マチス美術館に行く、と心に決めていた。夫の試合が立て込んだ場合(つまり勝ち続けた場合ね)は1人で行くつもりだったが、幸か不幸か2人で来れた。マチスはやっぱり素晴らしい。この色彩感覚が私は大好き。晩年、絵筆が持てなくなってから始めたという切り紙も、本当に素晴らしい。

美術館を堪能して、ロビーで休む。夫が受付の処へ行って、いろいろ聞いている。この近くのニース駅行きのバス乗り場と、それにどうやって乗るのかを教えてもらったそうで、現金で乗れるって言ってたよ、というのでほっとする。さて、そのバス乗り場へ。

しばらく待って、バスが来る。やれやれ、とコインを出して乗ろうとすると、キャッシュはダメだ、と運転手に言われる。え?と戸惑っていると、とにかく降りろ、という。で、降りたら、ドアがバタンとしまって行っちゃった。ひどい。バス乗り場にはチケット売り場も自動販売機もないし、その辺りは住宅街と公園があるだけで、聞く相手もいない。

17年前来たときは駅まで歩いて行ったけど、割に気持ちのいい道だったよ、と夫が言うので、歩くことにする。たしかに歩道は広いし、木陰もあるし、良い道ではある。でも、あのバス。せめてどうやったら乗れるのか教えてくれてもいいのに。学芸員さんは、日ごろバスになんか乗らないので、コロナ前のことしか知らなかったのだろうか。

気持ちを切り替えて、ニースの街歩きを楽しむことにする。きれいなお屋敷やホテルが立っていたり、子どもたちが列をなして歩いていたり、それはそれなりに楽しい。少し迷いながらも、駅近くに出る。お腹が空いたので、カフェに入る。ショーケースにいろいろな野菜やツナ、チキンなどが並んでいて、欲しいものを頼んで、サラダかサンドイッチかトルティーヤラップを選ぶシステムみたい。私はサラダ、夫はラップ。ちょっと難しかったけど、店員のお嬢さんは優しくて、ちゃんと注文できた。サラダにはパンまでついていて、これまた多すぎて食べきれない・・・。でも、おいしかった。旅先で野菜がたくさん食べられるのってありがたい。ニースだもの、ニース風サラダの本場なのよね。

カフェ近くの教会をちょっと見学。それから、駅に行ってモナコへ帰るのだけど、ここの駅には珍しく改札がある。それも自動改札。夫はすんなり通れたのに、私はシャットアウトされる。何度トライしても通してもらえない。困って、遠くにいる駅員らしき人に言いに行くと、チケットが行きの分だと言われる。二枚とも行きだって。ああ、そうか、さっき四枚もらって二枚ずつ分けたとき、私が行きの分、夫が帰りの分をとっちゃったんだ・・・。夫が中にいて、二枚帰りの分を持ってるって言ったら、いいから通りな、って通してくれた。うーん、いろいろ失敗してるなあ。反省。

でも、その後は順調。電車の中で検札が来たから、今度は2人とも帰りのチケットを見せて、問題なし。無事に帰ってこられましたとさ。やれやれ。

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