モナコ・フランス旅行記8

モナコ・フランス旅行記8

2024年8月31日

フェアモントも手ごわいの巻

エズから帰ってくたくたの我々は、今日からフェアモントに二泊する。すでに朝、荷物は預けてあるし、さっさと部屋に行ってシャワーでも浴びて休もう、とフロントに行くと、混んでいる。ちょうどチェックイン開始時刻だったらしい。おとなしく並んで順番を待ち、やっと我々の番が巡ってきた。と思ったら、まだ部屋は空いていない、という。いえいえ、朝にすでに手続き終了してますがな、チェックインは三時からと予約時点で確認してますがな。と主張するも「申し訳ない、部屋がまだ準備できていない。ドリンクチケットをサービスするから、どこかで飲み物を飲んで待っていてほしい」ですと。いやいや、こっちはくたくただよ。じゃあ、いつ部屋は準備できるの?何分後?一時間も二時間も待つの?「いつになるかは約束できないが、二時間待つということはない。あなたの電話に連絡するので、ロビーなりカフェなりで待っていてほしい。」不審な顔をしていると「こういうことは毎日のようにある」だって!天下のフェアモント様が?

…とこう書くと、スムーズに会話が進んだように読めるかもしれないけれど、なんといってもこちらはへたくそな英語一本やりで、フランス語は全く理解できない。一方、フランス語が母語のフロント担当者は、フランス風の英語でペラペラまくしたてる。振り返れば今までの旅行経験上、どこの国でも、ホテルのフロント係は我々のへたくそな英語に一生懸命、耳を傾けてくれたし、伝えたいことが理解できるように、分かりやすく、丁寧に話してくれたと思う。でも、フェアモントの担当者は違う。言いたいことをぱぱーっとしゃべって、じゃあ、そういうことで、と次へ廻ろうとする。いやいや、よくわかんないから、もう一回言って。私が言いたいのはそういうことじゃなくてね。などのやり取りが、非常に困難なのである。

ホテルチェックイン困難経験は、トランジット失敗以来二回目。こっちも疑心暗鬼になる。でも、これ以上ごねてもしょうがないので、バックギャモン会場に行って試合の進捗状況を確認し、ロビーのソファでぐったり休む。待ち続けてようやく電話が。フロントに行って手続きを済ませ、へろへろと部屋へ入る。すると、荷物は既に部屋に届けてあるから、と言っていたくせに、荷物がない!もう、いや。電話で確認すればいいのだろうけれど、あいにくこちとら、電話でやりあうほど語学力に自信がない。で、もう一度フロントまで足を運ぶと、いや、届けてあるから、という。でも無かった、というと、入れ違いになったんだと思う、今度はあるから、だって。しぶしぶ部屋に戻ったら、あらら、置いてありましたとさ。あとから、お詫びのしるしに冷えたシャンペンが一本、届いた。ものをくれりゃあいいってもんじゃないんだけどな。バスも、ホテルも、つくづく大変。結局、部屋でくつろげた頃には五時近くになっていた。ものすごく頑張って高い宿泊代を払ってるんだけどなあ。なんだかなあ。


フェアモントの夕食は、メインダイニングのNOBUという日本人シェフの店。ロバート・デ・ニーロが関わってる店だとマダムKが教えてくれた。店に入ると「いらっしゃいませ!」と声がかかる。びっくり。オーダーを取りに来たのは日本語話者だし、テーブルにはお箸がおいてある。シマアジのお刺身にハラペーニョがのっていたり、タラバにピリ辛の紫蘇のソースがかかっていたり、和食っぽいけど、ちょっとテイストの違う料理が出て面白かった。

翌日、せっかくフェアモントに泊まったのだから、屋上のプールにも入る。子どもが多いし、暑いのだけどね。聞いたことのない飲み物を頼んだら、ひとつはおいしかったけど、ひとつはすごい味であった。きゅうり・生姜・りんご・レモン入りの「おばあちゃんのデトックス」っていうから、名前だけで怪しげだったけどね。


午後からは、試合はラストチャンス開催。ウイメンズトーナメントでマダムKとスコットランド在住のOさんが決勝に残って、どっちが勝手も日本人女性が優勝ということに。別室でおこなわれている試合が大会場に中継されていて、試合のない日本人はみんな集まって観戦。間違った手を打つたびに「違う、気が付いて!」「そこ、そこだよ」などと声が飛ぶ。最後はOさんの勝利。二人ともお疲れさまでした。このお二人以外では、モッチー氏が「ハイローラー」で優勝。その他の日本人には結局、記録に残るほどの戦績はあまり出なかったみたい。でも、世界中の人たちと対戦できたのは、皆さん楽しかったようだ。

最後の夜なので、またもや日本人みんなで会食。今回はモッチー氏が日本酒を差し入れてくれる。料理が来るのが遅すぎて、しかも、会場に戻る道を間違ったりして、表彰式にウイメンズトーナメントのお二人がちょっと遅れてしまうハプニングはあったが、戻った会場では和やかに表彰式が行われ、カクテルが配られ、かくて九日間にわたるモナコの大会は終了した。皆さん、お疲れさまでした。「さあ、帰国だ、帰ったらラーメン食べるぞ。」「私は駅蕎麦でいい、あの味が恋しい。」などの声が聞こえるが、我々はこれからコートダジュール観光を続けるのだ。

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