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「ライオンのおやつ」 小川糸 ポプラ社
2020年本屋さん大賞ノミネート作品、惜しくも二位だったそうな。小川糸という作家、評価は高いようだけれど、読んだのは初めて。どんな内容なのか、全く予備知識無しで読み始めたら、あらまあ、この直前に読んだ「人生最後のご馳走」と「某」が組み合わさったような物語だった。
舞台はホスピス。人生最後の時を瀬戸内の島ですごく覚悟を決めた海野雫という33歳の女性が主人公。ホスピスでは、月に一回、リクエストされた思い出のおやつをみんなで食べる。・・・ってこれ、「人生最後のご馳走」そっくりだわ、偶然?驚いた。
瀬戸内の島の美しさは、私も旅で何度訪れて知っている。あんな美しい場所に住めたらどんなに幸せだろう・・・とは思っても、島の人間関係、不動産、様々なことを思うと無理無理、そんな贅沢・・・と思う。いいなあ。島のホスピス。って、これじゃ私、今にも死にそうな人みたいじゃないの。そんなことありませんからね、皆さん。
人はみんな死ぬから。それなら、幸せな最後を、と願う。この物語は、ある種のおとぎ話なのかも。幸せに死にたいものね、誰だって。
2020/6/20