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「井上陽水訳詞集」ロバート・キャンベル 講談社
思わぬ病を得て、入院して長い闘病生活を送る中で、毎日、井上陽水の音楽を聞きながら、それを1つずつ翻訳していこうと決意したロバート・キャンベル。彼の読み解く井上陽水の詩は、実に美しく奥深く不思議な世界だった。
ひとつひとつの言葉と、その前後関係から、その意味するところを深く捉えようとする作業は、非常に興味深く、面白いものだった。主語は、主体は、そこに秘められた暗喩は。日本語の奥深さも同時に教えられる気がした。
陽水の詩の中で使われている英語が、ロバート・キャンベルの訳詞ではフランス語になっているのに、「おお、そうか!」と笑った。
陽水は、偉大な詩人なのだ。ノーベル賞貰ってもいいわ、ボブ・ディランみたいに(笑)。
2019/9/29