交通誘導員ヨレヨレ日記

交通誘導員ヨレヨレ日記

2021年7月24日

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「交通誘導員ヨレヨレ日記」柏耕一 三五館シンシャ

 

工事現場で、警備員の制服を着て交通誘導や歩行者の案内をする人が、交通誘導警備員である。道路工事や電線工事などで見かけることも多いだろう。
 
この本は、もともと編集者として働き、著書もある作者がのっぴきならない事情から二年半ほど経験した交通誘導警備員の仕事について日記形式で書いたものである。
 
表紙も題名も面白そうだし、何度か新聞の広告で見かけもしたので、興味を持った。
 
「当年72歳、本日も炎天下、朝っぱらから現場に立ちます」
 
というキャッチフレーズも気に入った。実際、図書館でも順番待ちの末、手に入れたくらいだから、人気もあるのだろう。が、読み始めたら、まえがきからあまり面白くない。なぜなのだろう。文章が硬いのだ。入り込めない。主観が前に立ちすぎて、自分を客観視できていないからなのだろうか。大変なお仕事だと思うし、それなりに愚痴も迫力があって良さそうなものなのに、まるで年配のオヤジの説教を聞かされているような気がしてくる。
 
この人が体験談を誰かに話して、別の文体で書かれたら、もっと読みやすくて面白い本になっただろうに、もったいないな、という気がする。得難い体験はしているだろうに、ねえ。とは言え、七刷もされているから、売れてはいるのだろうなあ。
 
本書のベストセラー化により警備員卒業の日を夢見ている、と書いてあったけど、うまくいったかしら。けなしちゃって、ごめんね。

2020/9/20

 

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サワキ

読書と旅とお笑いが好き。読んだ本の感想や紹介を中心に、日々の出来事なども、時々書いていきます。

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