元祖体験道

「元祖体験道」 太田垣晴子

心が少々弱っているときは、お気軽な本に走ります。

太田垣晴子さんは、遠い昔、「話の特集」という、小さいけれど、すごくかっこいい雑誌に連載を持っていました。たぶん、デビューしたての頃でしょう。自分の日常をさりげなく、大してうまくもない絵と文で書いていて、でもそれがとても面白くていいなあ、なんて思ってました。今考えれば、大してうまくないどころか、とても上手だからこそ、そう感じたとわかりますが。

この本は、2002年の発行ですが、実際には1995年から1998年までCAZという雑誌に連載した記事を集めたものです。いろいろなアウトドアスポーツから、あらゆるダンス、セラピーにマッサージ、果てはお見合いから自衛隊まで、さまざまなことを体当たりで体験してレポートした記事です。その割りに、悲壮感がないのは、まさにこの人の持ち味です。いつも、少し肩の力が抜けていて、遠くから自分を離れてみて笑っているような立ち位置が、彼女の味わいです。簡単そうで、簡単にはできないことです。

ボデイボードやスノーボードを体験したのは、今はなきワイルドブルーヨコハマや、ザウス幕張といった屋内型スポーツ施設です。これらの施設が出来たとき、ちょうど夫が関連する仕事に携わっていて、まだ小さかった息子を連れて、ためしに遊びに言ったことを思い出します。(おちびは、まだ、いませんでした!)こんな施設、今はいいけど、長続きしないよね、なんていいあっていたら、本当につぶれちゃった・・・。
ってことも、思い出しました。

太田垣さん、勇敢です。
バンジージャンプなんて、私、何百万と積まれても、絶対やらないと思うけど。もっと怖そうなことも、がんがんチャレンジしちゃいます。でも、だからって言って、スポーツウーマン!って感じじゃないの。ごく普通の女の子が、恐る恐るやっているだけ。
無理もしていないし、この人のスタンスって、とても自然で、自己陶酔もない。当たり前そうで、なかなか出来ない姿勢です。

一冊読んだら、何にもしていないのに、いろんなことをやったみたいな気持ちになって、ちょっと心が晴れました。

2009/7/10