115 塩田武士 朝日新聞出版
本の雑誌が選ぶ2023年度ベストテン第一位。というのは後から知った。夫が借りてきて、こりゃ面白い、というので続いて読んだだけで、名前も知らない作者だった。すごかった。今は亡き週刊朝日の連載小説だったらしい。
平成三年、神奈川県で起きた二児同時誘拐事件。その真相を追う新聞記者。そこにかかわる写実画家。画家が画家として身を立てること、芸術とは何なのか、そして親子の絆、真実を知るということ。様々なテーマが交錯して、読み応えがすごい。登場する場所も人物も多岐にわたるので、「ええっと‥」と時に頭をひねりながらの読了であった。全然関係ないかもしれないんだけど、角田光代の「八日目の蝉」をなんだか思い出した。
読み終えたら、美術館に行きたくなった。写実画を見たい。そう思った。
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