75 岸田奈美 小学館
「もうあかんわ日記」の岸田奈美。ダウン症の弟のこと、車いす生活の母親のこと、心筋梗塞で亡くなってしまった父親のこと、そして、みんなができることがうまくできない自分自身のこと、仕事のこと、それ以外の誰かのことを書き綴ったエッセイ集。明るくて、楽しくて、でも、苦しかったり辛かったりしたことも全部隠さず正直に書いてあって、とても前向きになれる本。最後の方には末期がんでこれから死ぬとわかってる写真家に「死ぬんですか」なんて尋ねていて驚いちゃうが、相手も明るく「死ぬよ」なんて答えていて、何か頭が下がる。教えられる。
ダウン症の弟に必死で、私のことは大事じゃないのかと幼い頃に尋ねた作者。本人は覚えていないんだそうだけど。それから、おかあさんは二人とも同じに大好きなので、うんとうんと愛情表現するようになった。そうしたら、愛されてるとわかった作者は弟のことも大好きになって、おかあさんと一緒に弟をうんと大事にするようになって、弟も本当にいい子で。って書くときれいごとに読めちゃうのかもしれないけれど。大事だと思うこと、愛してると思うことって、本当に力がある。私もそれを知っている。
この本、ドラマ化されたそうだ。なんと今日からNHKで放送するって。ドラマは普段あんまり見ないんだけど(あ、「虎に翼」は見てるよ!)これは見ようと思う。たぶん、元気が出ると思う。
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