57 西條奈加 集英社
直木賞受賞作。と、読み終えてからわかった。そうか、直木賞シリーズで読書してたのか。
江戸時代、千駄木の一角、心町(うらまち)の物語。生き直すには悪くない町。人の詮索をせず、そのまんまを暖かく受け止める街の人と、差配一人ひとりの物語。短編が続くが、それらがゆるく繋がり合っている。
恋や親子、友情、そして生と死。人と人とのつながりが丁寧に描かれている。どんな人でも、どんな過去があっても、それを乗り越えて、人は生きていける、ということ。こういう物語は、好きだ。
高田郁の「みをつくし料理帖」をちょっと思い出した。