東北温泉旅行2酸ヶ湯温泉篇

東北温泉旅行2酸ヶ湯温泉篇

2024年7月5日

朝、遠野から昨日来た新花巻に戻り、そこからやまびこで盛岡へ。駅弁を買い、はやぶさに乗り換えて車中で昼食、新青森到着。奥羽本線に乗り換えて青森駅へ。ついたのが1時49分。駅からちょっと離れた青森駅商工会議所前から酸ヶ湯温泉行の送迎バスが2時ちょうどに出ることになっている。乗り換え時間が10分ほどしかないので、迷ってると遅れちゃう!と、何度も何度も地図でおさらいして緊張していたのだけど、同じようにずんずんと早足で歩く中年カップルが周囲に何組か。みんな、大人の休日倶楽部組なのね。全員、無事に乗り込んで、オンタイムで出発。ああ、よかった。

一時間ほどかかるというアナウンスだったけど、結果的には50分程度。緑の濃い山道を、ぐるぐるぐるぐる走ってバスは到着。ついに来たぞ、酸ヶ湯温泉。前から来たいと思ってたんだけど、人気の温泉なので、いつも満員で予約が取れなかった。今回はオフシーズンだし、かなり前から予約を入れたしで、何とか取れた。駐車場には車がたくさん、人も大勢いる。さすが千人風呂を抱えた温泉である。

フロントでは、宿泊は今回がはじめてかどうかをまず聞かれる。なるほど、リピーターの多い宿なのね。我々のお部屋は湯治棟。手もみ処や温泉療養相談室、ギャラリーなどが立ち並ぶ廊下がなんだか街の通りみたい。炊事室や洗濯室の脇を通って二階へ。長逗留の湯治目的で自炊する人もいるらしい。部屋は素朴な和室で、トイレもついている。

本当は明日、八甲田山ロープウェイで山頂に行く予定だったんだけど、あいにく天気予報は雨。今日中にロープウェイに乗ってくるってのはどうだ、とフロントで相談してみる。今日みたいな曇りだと景色は見えなくて、上がってもいいことは何もない、のだそうだ。しかも、ロープウェイまで行きはJRバスがあるけど、帰りは終バスが行っちゃってて、歩くと30分以上でクマが出るかもよ、だって。タクシーは呼んでも来ない場合が多いというし。だめじゃん。仕方なく外へお散歩に出る。

裏道はクマが出るよと脅かされたので車道沿いの歩道を歩く。東北大学植物園があったけど、そこは通り過ぎて地獄沼。強酸性の沼で、魚がいないそうだ。温泉の匂いがする。

そこから少し歩いて賽の河原。なんだか不気味な風景。

さらに行くと、火山現象跡地。北八甲田火山群は今も活動中。

お散歩はこれくらいにして宿に戻る。夫は混浴の千人風呂へ、私は玉の湯という女性専用風呂へ。温泉は白濁した硫黄泉で、とてもとても良い湯だった。夫によると千人風呂にも入浴着を着た女性が数人入っていたそうだ。私は夕食後、女性専用タイムに千人風呂へ。千人風呂というし、確かに広いけれど、実際には百人風呂くらいかなあ、でも、のびのび入れてよろしい。女性が大勢入ってきて、もう少し女性タイムを増やしてほしいと思った。

翌日は雨。ロープウェイは諦めて、午前中は温泉に入ったり、本を読んだり、ゴロゴロ、うだうだ過ごす。午後からは宿のミニツアーに参加。と言っても、他に誰も参加者がいなかったので我々二人だけでエコツアーガイドさんの車で八甲田を回る。

雨と霧でよく見えないけれど、城ヶ倉大橋というアーチ橋。下部アーチ構造なので、景観を邪魔する柱がなく、紅葉のシーズンなどは絶景が見られるという。でも、私は高所恐怖症なので、見えなくてもいいかも。

この橋ができる前は、酸ヶ湯から黒石方面に行くのに、谷を降りて、川を渡って、また山を登って、やっとたどり着いていたという。橋を渡ったらあっという間だ。便利になったのね。

八甲田はブナが多い。ブナは「橅」と書く。「木では無い」と。水分を多く含んで割れやすく、木材として役に立たないとされていた。だが、水を貯えるのに非常に役に立つ大事な木なのである。ブナ林はとても美しい。

八甲田山雪中行軍遭難事件の記念碑。この人は後藤伍長。救助を求めに行って、直立したまま仮死状態で発見された人だという。普通、銅像は前向きに立てられるものだが、この像は正面に背を向けて北を向いている。日露戦争のロシアににらみを利かせるためだったという。

この遭難事件について、映画の写真を使ってガイドさんから詳しくレクチャーを受けたので、一度映画を見なくちゃと思った。出演した高倉健も、三国廉太郎も、丹波哲郎も、大滝秀治も死んじゃった。昔の映画だなあ。この遭難事件の捜索に加わったのが、鹿内辰五郎という酸ヶ湯温泉の仙人と呼ばれた人である。辰五郎さんは、同じ青森の蔦温泉によく逗留した大町桂月とも仲良しで、お酒を持っていって、その数日後に桂月が死んじゃったので後悔していたらしい。昨日見た東北大学植物園の標本集めにも協力して県内のいろいろな場所から植物を集めてきたり、酸ヶ湯温泉に逗留した棟方志功とも仲良しだったという。そういえば、宿に棟方志功の写真が何枚も展示されていたが、その傍にいつも勲章をたくさんつけた不思議なおじさんがいた。あれかな?と聞いたら、それだ、とガイドさん。あとでもう一度見なくっちゃ。

雨が降ったりやんだりする中。睡蓮沼と言う所へ。今は睡蓮はなくて、コバイケイソウという白い花が咲き誇っていた。

八甲田山は冬はスキーができる。ゲレンデは小さいが、皆そこから林に入ってカントリースキーを楽しむのだそうだ。スノーシューツアーもあるらしい。冬に来たら楽しいかなあ。でも、寒いだろうなあ。ちなみに八甲田山というのはひとつの山の名前ではなく、いくつもの火山群の総称だそうだ。たくさんのかぶとを伏せたような形の山と湿地帯(田代)があることからこの名がついたという。

雨と霧の中、時々晴れもしたけれど、これにてミニツアーは終了。なかなか楽しかった。宿に戻って、例の鹿内辰五郎さんの写真を見直す。左が棟方志功、右が辰五郎さん。

棟方志功の作品も飾ってあった。

翌朝は雨が上がっていた。朝食後に東北大学植物園を散歩。ワタスゲの咲く湿地帯に木道が付けられている。良い景色の場所もあった。

8時50分発の送迎バスで青森駅へ。奥羽本線が9時53分発なので、間に合うかどうかひやひやしていたが、十分間に合った。やれやれ。今日は秋田県の乳頭温泉を目指すのだ。