昭文社旅行ガイドブック編集部 昭文社
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旅が好きだ。出来ることなら、ずっと旅をしていたいくらいだ。たぶん、転勤族の家に生まれて、結婚相手も転勤族で、いつもいつも新しい土地に移り住み続けたからだろう。知らない場所で、知らない風景を見て、初めての人と話をしたい、初めての食べ物を食べてみたい、といつも思っている。夫が退職したら、ふたりで世界中をぐるぐる回って歩こうとずっと話し合ってきた。行きたい場所をリストアップしたら止まらなくて、手帳のページが埋まってしまったくらいだ。だのに。だのに、お家にいなくちゃいけない今日このごろ。
だから、いろいろな場所をネット検索したり、ガイドブックを読んだり、地図を眺めたりする。それしかできないから。なんてこと言ってたら、夫がこの本を見つけてきた。大好きな日光や那須のある栃木県のトリセツだ。最近は住みたい街ランキングで最下位になってしまっているが、日光も那須も、藤の花輝くあしかがフラワーパークも、私の大好きな美味しいワインを作るココファームワイナリーも、実は栃木にある。魅力的な場所なのに。
面白い本だった。栃木のことなんて全然知らなかった。足利氏の系譜が2つあるってことは、歴史が好きだから薄々知っていたが、戊辰戦争以後の北関東の歴史なんて全然知らなかった。栃木って、江戸時代も藩を細かく細かく分けられていたし、領主も次々に変わったのね。県になってからも、宇都宮県とか日光県なんてのもあったりして、バラバラだったのね。二荒山神社という名の神社が中禅寺湖畔と宇都宮市内とに2つあるけど、それぞれ全然別の神社だし、両者でトップ争いをしてたのね(笑)。他にも目からウロコの事実がたくさん。
この本のシリーズは、他にも神奈川とか千葉とか愛知とか福岡とか岡山とか長野とか、続々出されている。皆さん、お家から出られない代わりに、こんな本を読んだらどうかな。その土地の地理も歴史も手に取るようにわかるから。旅するみたいな気分になれるかもよ。