124 千早茜 文春文庫
前にも書いたが、適当に文庫本を買ってカバンに突っ込んで旅に出たら、なんと既読本が二冊も入っていましたとさ。その一冊がこれ。結局、ちらっと見て興味を感じるタイトルなんてだいたい同じなんだなあと自分の単純さに呆れる。
過去の記録を読んで、あらあ、そんな風に思ってたの、自分・・と新鮮に驚く。老化だわ、恐ろしい。「若いわねえ」なんてこれ読んで思ってたんだ。今回読んで、若いとは別に思わなかったのに。何なんだろう、この落差。
なんか心がごちゃごちゃして、人から正しいと言われそうな行動はとれないけれど、自分にはこれしかできないともがいている女たち。それでいいし、正しいんじゃないかしらね、という視点。〇×とか正邪じゃ決められない正しさだってあるよね。困ったり迷ったり不安でいる女たちをそのまんまくるみ込むような短編集。こういう小説に救われることって、ある。
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