93 ジョージ・ソーンダーズ 角川書店
なんじゃこりゃあ。が、最初の感想である。読み始めて十行目くらいで思ったね。以後、ずっと同じ感想。岸本佐知子が翻訳しているというだけで読んだ。そりゃ岸本さんだよなあ。笑える。笑えるけど、だんだん恐ろしくなる。
くだらないように思えるけど、結局、こういうことなんだろうな、と思う。いま世界で起きていることだって、畢竟、こんなことである。税金を取り立てるってそんなことである、とか思っちゃうね。
作者はコロラド鉱業大学で地球物理学を学んだあと、スマトラの石油発掘クルー、ビバリーヒルズのドアマン、シカゴの屋根職人、アントリーアンド・ウエスタンのギタリスト、コンビニの店員、テキサスの食肉加工工場等様々な職業をへたのち、30歳を前にシラキュース大学創作学科に入学、とバイアス・ウルフらに師事。卒業後は母校で教鞭をとりながら作品を発表、現在までに六つの著作があり、マッカーサー賞、グッゲンハイム賞をはじめ数々の受賞歴がある、という。
この作品は「登場人物がすべて抽象的な図形であるような物語は書けるか?」という挑戦を受けて立ち、ふとどこかから「昔あるところに、あまりにも小さいので一度に国民が一人しか住めない国があった」という文章が降ってきたところから生まれたという。
まあ、読んでみればわかるから(笑)。
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