32 荻上チキ ポプラ社
中川翔子、ヨシタケシンスケ、りゅうちぇる、立川志の輔、春名風花、あずまきよひこ、R-指定、谷川俊太郎、庵野秀明、宇多丸、田房永子、大槻ケンヂ、みうらじゅん、糸井重里、坂上忍、椎名誠、荻上チキ、北斗晶。
学校に行くのが嫌いだった大人を訪ねて、不登校の子供たちに向かって話してもらう、という本。みんな苦労してるなー、と思うけど、そうだよなー、とも思う。私も学校嫌いだったから。高校時代、朝、校門のところまではなんとか行ったけれど、くるりと踵を返して戻っちゃったこともある。自主休校、いっぱいやったな。それでもいわゆる不登校にまではならなかったのは、たぶん、親がめんどくさいからだったと思う。親と戦う気力もなかったのね。
つくづくと日本は同調圧力が強い。だから、「こうであらねばならぬ」に抗うことは、人生をだめする、生きる価値がないことにまで直結してしまう。辛い世の中だよね。
この本を読んで「何だ、みんな成功者じゃないか」と思う人もいるだろうと思うけれど。成功しなくちゃいけないわけではない、ということも忘れちゃいけないんだよね。なんとか生きていければとりあえずそれでいいじゃないか、ということも、色んな人の言葉を読んでいくうちに、なんとなくわかってくる。だから、ちゃんと読んでほしいと思う。表っかわだけじゃない、本当の意味を受け取って欲しい。
こういう本がたくさんあるといい、と思う。みんな「普通」に生きているみたいに見えるけど、普通なんてなくて、それぞれにいろんな生き方があって、自分で選んでいけばいいんだ、と気がつけるから。人とちょっと違ってしまった自分を否定したりしなくていいんだ、とわかったら、随分と生きるのが楽になると思うから。