花の雨が降るROCAエピソード集  金色に光る海

花の雨が降るROCAエピソード集  金色に光る海

77 78 いしいひさいち (笑)いしい商店

数年前に読んだ「ROCA 吉川ロカストーリーライブ」の続編。徳間書房から前作とこの二冊を合わせた本が「ROCA コンプリート」として出されたと知ったのだけど、探しても探しても売り切れていた。でも調べたら、続編二冊は、自費出版本をいしい商店で直販していた。残冊わずかだったので良かった。そういえば前作もいしい商店から直に買ったのだった。直販にはおまけのイラストとお手紙までついていたのでお得感もあって、よかった、よかった。

ポルトガルの国民歌謡ファドの歌手を目指す、ちょっと間抜けでちょっと引っ込み思案な女の子が、年上の凶暴な同級生の助けを得ながら優れた才能を生かして成長していく物語。前作は歌手になるまでの主軸ストーリーだったが、この二冊は周辺のエピソードで構成されている。主人公のロカも、同級生の柴島美乃も、周囲の人々も、なんと生き生きと個性的なことか。みんなを愛せちゃう漫画である。この二冊を読んで最初の一冊も読み返したのだが、ああ、切ない。毎回笑わせてくれるのに、最後には胸にギュッと来る。いしいひさいち、天才である。すごいぞ。手に入りにくいけれど、ぜひぜひ読んでほしい一冊。