30 山田鐘人 アベツカサ 小学館
少し前「アメトーク マンガ大好き芸人」で紹介されていたマンガ。気にはなっていたが、そのままにしていたら、夫がいきなり4巻まで購入。一気に読んでいた。そうかそうか、読み始めたら一気か。と警戒していたが、ついに読んでしまったら、なるほどね、一気ですわ。また続編を待ち続けるマンガが一つ増えてしまった。
勇者、戦士、僧侶、魔法使いが十年の年月をかけ、魔王を倒して凱旋する。王に表彰され、四人の銅像が街に飾られる。戦いの旅を終えた魔法使いフリーレンは旅に出る。彼女はエルフ族なので大変な長命であり、十年などという期間はほんの一瞬でしかない。だが、久しぶりに街に帰ると、共に戦った仲間は年老いていた。そして勇士ヒンメルの死。そこから、物語は始まる。
そう、そこから物語は始まるのだ、終わるんじゃなくて。フリーレンは僧侶ハイターが育てていたフェルンという少女とまた旅に出る。いわば壮大なRPGの「あのあとどうなった」がこの漫画である。
発想が面白いよね。そして、ひとりひとりのキャラクターが素晴らしい。絵の描きこみも細かくきれいだし、丁寧に作られている。ファンタジーとしてちゃんと成立している。淡々としているフリーレンの内に秘めた感情にほろっとしたりする。先の展開が楽しみなマンガだ。