119 杉浦日向子 ちくま文庫
旅行中、退屈しないように色々なジャンルの文庫を適当に買い集めて鞄に詰めた。漫画もあったほうがよかろうということで入れたのが、これ。杉浦日向子は好きだったのに、ブログを検索したら読書記録がない。なんと亡くなったのが2005年だから、ブログを始めるよりも先だったのね。惜しい人を早くに亡くしたものだと改めて思う。
女房をちっと見直すまつのうち
雪見とはあまり利口のさたでなし
きかぬふりするは娘の吉事なり
などの川柳をもとにした、江戸情緒あふれる漫画。のんびり、ゆったりして、いつの間にか江戸時代に入り込んでしまったような、楽しい絵。時代考証もちゃんとしているし、人物の気持ちがにじみ出るような絵柄がやさしい。
いい漫画を描く人だったのだなあ。粋な人だったのだなあ。ああ、もったいない。もっとこの人の作品を読みなおさなくては。
なんて北欧の空の下で思っていた、私でした。
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