あなたの知らない栃木県の歴史

あなたの知らない栃木県の歴史

2021年5月27日

35 山本博文 洋泉社

「あなたの知らない県史」シリーズ。日本史を学ぶと、どうしても京都奈良が中心で、それに鎌倉、江戸が加わっていく、という順序になって、その頃東北や北関東はどうなっていたのか、が全然わからない。なので、こういう本を読むと結構新鮮。以前に読んだ「栃木のトリセツ」と合わせると、俄然、立体的に見えてくる。

栃木には毛野王国がかつて存在した。なんて歴史の教科書には載ってないよね。実際には栃木にはたくさんの古墳が残されているし、平地が広がっているから、そりゃあ人が集まってそれなりに豊かに暮らしてただろうなあ、と思う。下野には大きな国分寺と国分尼寺もあって、僧侶になる修業をする戒壇もあった。結構文化的にも栄えていたんだなあ。文化といえば足利学校という日本最古の大学もあったし。

栃木というひとかたまりの県にはなっているけれど、歴史の上では小藩に細かく別れていて、明治維新以後もいくつかに割れて、紆余曲折の果に一つの県になったから、統一性がないというか、一体感の無い県だという感覚がある。群馬や茨城と何となくごちゃっとなっているような。だから、人気が最下位だったりするのかなあ。いいところもいっぱいあるのにね。