きたきた捕物帖

きたきた捕物帖

2021年4月1日

5 宮部みゆき PHP研究所

宮部みゆきの新シリーズ。宮部みゆきは、時代物だとなんと温かいのだろう。登場人物一人ひとりに温かみがあって、好きになれる。現代ものだとぞっとするほど冷たい人間像が出てくるのと大違いだ。なんでこんなに違うのだろう。

北一というまだ年若い青年が主人公。恩のある親分が亡くなって、目の悪い女将さんが残される。その女将さんや、周囲の人達に助けられながら、親分のやっていたような役目を引き継いでいく。文庫というきれいな箱物を棒手振りで売りながら、一方で、困ったひと、苦しんでいる人達を助けるような捕物も引き継ぐのだ。

様々に思わせぶりな人物が登場して、彼らの背景や謎が気になってしょうがない。これからまだまだ続くぞ、とわくわくさせてくれる展開だ。続編が楽しみだなあ。