まさかの日々

まさかの日々

2022年4月9日

48 中野翠 毎日新聞出版

「いいかげん、馬鹿」に続く、2020年10月から2021年10月までのサンデー毎日」連載コラムをまとめた本。毎年新しく出たものを読むのが習慣になって何年経つだろう。中野さんもお歳を召したが、まだまだ読み続けたいので、そこんとこ、よろしく、と願うばかりである。どうぞお元気でいらしてください。

なにしろコロナ禍が始まってからの一年間である。ステイホームを基本とした一年間であるのだが、それでもちゃんと毎週書くことはある。むしろ、その間に様々な自分との向き合いをなさっていたのだなあとつくづく思う。坪内祐三さんの話が何度も出てきて、ツボちゃんはコロナを知らなかった、それだけが幸いだ、とそのたびにつぶやく。なんかしみじみする。私も彼が好きだったのでね。

落語の話、映画の話、歌舞伎の話、お笑いの話。家にこもりきりでも今はいろんなものが見られる。そういえば、「桜姫東文章」は生で見ていらっしゃるのね、いいなあ。東京在住じゃないと無理だったよなあ。玉三郎と仁左衛門。色っぽいだろうなあ・・・。今度シネマ歌舞伎になったというので、見に行くぞー、とこんなところで決意を固める。

それにしても、コロナは第七波に突入であるか。いつになったら堂々と旅に出られることやら。本当に思いもよらない「まさかの日々」を送っているわ、私たち。やれやれ。