よしながふみ『大奥』を旅する

よしながふみ『大奥』を旅する

11 太陽の地図編集部 平凡社

「仕事でも、仕事じゃなくても」のよしながふみが16年かけて完結させた「大奥」の世界を専門家が徹底解説したムック本。「大奥」はずーっと読んでいたけれど、これだけの年月をかけていると、記憶がおぼろげな部分もあるので、この本を読み返したら実に楽しかった。テレビでドラマも始まったしね。これを読みながらドラマを見るとさらに分かりやすいと思うな。

江戸時代、男性しかかからない赤面疱瘡という病気のせいで三代目途中から女性将軍が誕生する、という今思えばとんでもない発想。そこから16年、よしながふみ、頑張ったなあ。誰ももう文句言わないよ、女性将軍のマンガをみんな認めている。すごいぞ。設定は奇想天外だが、描かれていることは基本、史実に忠実、というのも素晴らしかった。山川の教科書に何度も戻った、というエピソードにも頭が下がる。

熱烈愛読者代表として久しぶりに夏目房之介の名前を見たのも嬉しかった。その昔やっていた「BSマンガ夜話」好きだったもんなあ。もうやらないのかなあ。「大奥」は歴史に残る漫画である。終わっちゃって残念。