カラオケ行こ!

カラオケ行こ!

2021年4月17日

14 和山やま KADOKAWA

テレビのアメトーク「マンガ大好き芸人」で日頃漫画を一切読まない蛍原さんが「これは買う」と言明していたので、つい買ってしまった。

主人公は中3の合唱部部長、岡聡実(男子)である。合唱コンクールに見学に来ていたヤクザの若頭補佐、成田狂児にカラオケに誘われる。成田の所属する組の組長はカラオケが好きで、年に四回行われるカラオケ大会で一番下手だった奴は、組長の手で入、下手くそなれ墨を入れられる。それが嫌な彼は、聡実に歌を教えろと迫る・・・。

これはギャップの漫画だな、と思う。中学生相手に熱心に歌を教わるヤクザ、人見知りで言いたいことも言えないっくせにヤクザ相手に割に自由に振る舞う聡実。シビアなはずの入れ墨にキティちゃんの図柄が選ばれ、しかし下手好きてよくわからない化け猫の図になる。妙に親切なヤクザ、いざとなると肝の座る中学生。すべてが先入観と現実のギャップで描かれる。それが面白いといえば面白いのだが、ベタだな、とも思う。

戦後ヤクザの歴史とか、突破者の話とか、もっとディープな本物のヤクザの実録を読んでしまっているので、こんなほんわかなヤクザの話を読んでも、なんだかなあ、としか思えない耳年増の自分に気がついてしまった。