ジブラルタル・タンジェ・バルセロナ旅行記 1

ジブラルタル・タンジェ・バルセロナ旅行記 1

2023年2月27日

一月末日から二週間ほど旅をした。このご時世に海外に行くなんて、という気持ちもあったので、周囲にはあまり知らせず、ひっそりと行ってきた。帰国してかなりの日数がたったが、特に健康被害も出なかったので、無事に旅を終えられたらしい。というわけで、記録を残そうと思う。

夫はバックギャモンを趣味としている。国内の大会はほぼ皆勤だが、過去にベニスとモンテカルロの国際大会にも出たことがある。と言っても、もう十数年も前のことだが。仕事を引退して時間が自由に使えるようになったので、どこかの世界大会に出たい、と考えているときにお仲間にジブラルタルに誘われた。ジブラルタルはスペインの南端に突き出した英国領の小さな町である。町の周辺にも観光スポットはあるし、フェリーで地中海を渡ればアフリカのモロッコもすぐそこだ。一緒に行っても退屈しないで済むと思うよ、と夫からプレゼンテーションがあった。このコロナ禍に海外旅行か…と躊躇があったが、調べてみるとその段階で日本よりもジブラルタル近辺ははるかに感染者が少ない。これはむしろ行ってしまったほうが安全ということはないだろうか…という素人考えが働いた。正解かどうかは知らんが。そもそも、退職後は世界を旅してまわろうと言い合っていた我々夫婦である。コロナ禍でずっと我慢を強いられている間にも歳は取る。ここらで外に出ないと時を逃すのではないか、と決断した。

どうせ向こうに行くのなら、モロッコに渡るだけじゃなくて、ついでにバルセロナにも行きたい、と夫が言い出した。バルセロナは私も前から行きたかった町である。ジブラルタルにタンジェ(モロッコ、ジブラルタルの対岸の町)にバルセロナを回るツアーなんてどこにもないから個人手配だよね。というわけで、夫はネットを駆使して飛行機、ホテル、施設見学の予約などなどあらゆる手配をし、行程表まで作成してくれた。とはいえ、プロじゃないからどこかで大きな手違いがあってにっちもさっちもいかなくなる場面があるやもしれんが、まあ、その時はその時よ、という。二人で行けば何とかなるよなー、と腹を括って、我々はその日を迎えた。

出発は深夜である。いつもならとっくに眠っている時間に飛行機に乗り込む。このまま寝ちゃうと時差ボケが・・と思っていたら、なんと機内のエンタメにインド映画「RRR」があるではないか。うちの娘が大絶賛し、ラジオで伊集院光が「三時間ぶっ通しで見るから先にトイレに行って見たほうがいいよ」と勧め、神田伯山に至っては、めったにない休みの日の午前に「RRR」を見、午後に「RRR」を見返した、と言っていた映画である。で、さっそく見たら、なるほど、三時間一睡もしないで夢中で見ることができた。その間に機内食サービスなんぞもあったから、結局かなりの時間を起きて過ごせた結果、時差ボケはかなり回避できることとなった。

飛行機はヘルシンキ到着。ここからスペインのマラガまで乗り換えになるのだが、搭乗表示を見ると、もう少ししか時間がない。入管手続きやら荷物チェックやらを済ませて空港内を走り回る。トイレに行く暇も無いかと焦ったが、搭乗表示はまさしく「搭乗」開始時間であって、出発時間ではなかったので悠々間に合うという顛末であった。マラガでは、今度は送迎のドライバーにショートメッセージが送れないというドタバタがあったが、電話で何とか連絡がつき、同乗するドイツ女性ジョセフィンさんに声をかけてもらって、無事にジブラルタルまで送ってもらえた。路線バスだと三時間かかるところを、大会主催者に送迎を手配してもらったおかげで一時間半ほどでジブラルタルの会場ホテルに到着。やれやれ、お疲れさまでした。

ジブラルタル・タンジェ・バルセロナ旅行記 2 へつづく

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サワキ

読書と旅とお笑いが好き。読んだ本の感想や紹介を中心に、日々の出来事なども、時々書いていきます。

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