スーパーマンその他大勢

スーパーマンその他大勢

2021年7月24日

「SUPERMAN.etc. スーパーマンその他大勢」桑原伸之・絵 谷川俊太郎・文

六年生の読み聞かせで、もう一人の人と交代に、四週連続で、椎名誠「アメンボ号の冒険」を読んだ。六年生は、意地でも感情なんて見せてやるもんか、という顔で聞いているので、受けているのやらいないのやらわからないのだけど、なんと、とあるクラスで、男子たちが発泡スチロールとペットボトルでいかだを作ってしまったらしい。んで、来週末に、ついに川に乗り出すんだと。

すげー影響力じゃん。でも、それで事故でも起こされたら、エラいことになるぞ、とつい腰が引けてしまう私。いやいや。首謀者の一人が、一緒に読んだ人の息子さんだそうで、保護者が一応着いていくから大丈夫よ、なんて言われると、なんだ、親も知ってんのかよ、と、それはそれでちょっと面白くなかったりする、勝手な私。

四週で読みきるつもりが、最後の一ページだけ残してしまったので、五週目に、最後だけ読んで、ちゃんと海に到着して、この本には他にも、こんな冒険が載ってるから、良かったら読んでね、と紹介して、時間がまだ余るので、谷川さんの詩集「朝のかたち」から「スーパーマンその他大勢」の何節かを抜粋して朗読。「詩を読みます」と宣言してから読んだのだけど、子どもたちは、いったい笑ったらいいのか、感心したらいいのか、つまんながったらいいのか、どうしたらいいかわかんない、という困惑した顔をしてました。

私は文庫にまとめられた詩集の中でしか、この作品を知らなかったのだけど、単発詩集として出されているのかしら、と思ってネットで検索したら、あらら、最初は絵本だったのね。でもって、なんと合唱曲にもなっていて、コンクールなんかで歌われてる?え?これを、歌うの??とても、ふしぎ。ちょっと聞いてみたい。

調べたら、絵本は絶版でした。図書館でリクエストしたら、保存庫においていある。ふーん。アマゾンで調べたら、中古なら、ある。注文してみました。

手元に届いた本は、なるほど、地味だわ。ちょっと不気味な絵。これを児童書室においても喜んで手に取る児童は少ないぞ。っていうか、絵本コーナーって幼児が大半だから、これ、誰にも気づかれないだろうなあ。詩集の棚に置いてほしい。

魚屋さん

若いころ竜宮城で暮らしたことがあるのです
竜宮城では毎日若布と昆布しか食べません
新鮮なお魚がうようよ泳いでいるのにね
ある日とうとう我慢できなくなって
鯵のしっぽをかじってしまったので
乙姫さまに竜宮城から追放されてしまいました
盗んできた玉手箱を開けたらたちまち老人
でも生まれつき元気なので魚屋を始めました
そう魚屋さんは広告のチラシに書きました
誰も魚屋さんの本当の年齢を知りません

(「SUPERMAM.etc. スーパーマンその他大勢」桑原伸之・絵 谷川俊太郎・文 より引用)

から始まって、本当はひよこをかえしたいのに卵で料理するコックさんや、ピストルも売っている花屋さんや、子どものころから駅員にあこがれていた数学者や、奥さんにホクロが十六個ある床屋さんや、子どものころからひげが生えていたサンタクローズや、ペンギンに恋文を渡す飼育員や、たくさんの人が出てきます。最後は、スーパーマンね。

読み聞かせを終えて、図書準備室で、読み聞かせボランティアの人たちにこの作品の話をしたら、ものすごく受けて、みんな読みたい読みたいと言ってたのだけど、オトナじゃないと面白くないのかしら。

家で読んだら、おちびは「ふーん」だったけど、高三男子には喜ばれ、「お母さんって、結局、こういうぶっ飛んだのが好きなんだよね、お笑いでも。」と言われました。
たしかに。

2008/11/8