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「タモリ　芸能史上、永遠に謎の人物」KAWADE夢ムック　河出書房新社

どうやらこの本は樋口毅宏の「タモリ論」への異議申し立てから始まったらしい。初期のタモリ、タモリ発見に関わった人物が大勢この本に関わっている。俺達の仲間、タモリはこんな奴だぜ、みたいな感覚といえばいいだろうか。

筒井康隆、山下洋輔、団しん也、高信太郎、大橋巨泉、いとうせいこう、大竹まこと、坂田明・・・。そうそうたるメンバーだ。そういう意味では、今まで読んできたタモリ関連本の中では一番中身が濃いのかもしれない。と言っても、タモリが芸能界で確固たる地位を築いてからの人物像というよりは、福岡のサラリーマン森田一義がタモリになるまで、のストーリーに偏っているといえば偏っているかも。

どの時代のタモリが好きかによって、たくさんあるタモリ論のどれが面白いかも変わってくるのかもしれない。私は若い頃はオールナイトニッポンのタモリが大好きだったが、今となってはブラタモリで嬉しそうに散歩するタモリが大好きである。良い時に「いいとも！」をやめられて良かったね、とつくづく思っている。彼の老後に幸あれと心から願っている。

2016/1/28