ノースライト

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2021年7月24日

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「ノースライト」横山秀夫 新潮社

 

ラジオに横山さんがゲストでいらしていて、六年かかりましたよ、なんて笑っていってるのを聞いて、読まなきゃ、と思った。そしたら夫が先に予約を入れていたので、思いのほか早く手に入りましたとさ。建築好きの夫の大好物の要素ありありのミステリ。横山さんの作品は単なるミステリじゃなくて、常に人間ドラマだ。今回も、親と子、元妻と元夫、古い友人、恩人と恩返し、などなど、様々な人間ドラマの要素が盛り沢山。
 
読み始めたらあっという間でした。キーワードはブルーノ・タウト。桂離宮に見学に行った時に、この人の名前が何度も登場したっけ。日本の美を再発見したドイツ人。タウトの設計した椅子が、あまりに座り心地が良さそうで、欲しくなっちゃう。
 
家の中に、北側から降り注ぐ、光。住んでみたい家。いいなあ。静かな緑深い場所で、そんな家に住んでみたいけれど。買い物や病院や図書館が遠かったら、やっぱり駄目なのね。なんて、思いは明後日の方向に行っちゃうけれど。
 
良いミステリだったけど、できれば、人が死なないミステリが良いなあ。

2019/6/25