ハブテトル ハブテトラン

ハブテトル ハブテトラン

2021年7月24日

「ハブテトル ハブテトラン」 中島京子 ポプラ社

「その題名、何?どういう意味?」
とおちびに聞かれたので、
「まあ、呪文みたいなもんかな。」
と答えた私。大嘘だけど。

目次を見たら、二百五十四歳の魔女が登場したりするらしいので、すっかり信じ切ったおちび。
「私にも、読める?」
ですって。
読めると思う。漢字さえ読めれば。

中島京子、いいです。好きです。
学校に行けなくなっちゃった五年生の男の子が、お母さんの故郷の松永で二学期を過ごす。
その間の物語です。

もしかしたら、とっても綺麗事を書いているのかもしれないけれど、でも、主人公ダイスケの気持ちはまっすぐわかる。
真っ直ぐすぎるのが綺麗事だとしても、それでもいい、と私は思う。これは、これで、本当なのだ、と思う。

ハセガワさんというキチャない老人が、とってもいい味出してます。素敵です。「おー」しか言わないのに、伝わっちゃう。

苦しいことも悲しいこともまっすぐに見据えて、ちゃんとがんばって、乗り越えて、自分で選んで、明日が信じられて、そして、いつも明るい、笑っちゃう余裕があって。
良い物語でした。
いつか、私も、しまなみ海道を自転車で走りたい。

2010/9/29