モップの精と二匹のアルマジロ

モップの精と二匹のアルマジロ

11 近藤史恵 実業之日本社

病院の待合室で、またもや読み本が足りなくなって、スマホに放り込んであった電子本に手を出す。最近はこういうことができるから、本不足に悩まなくて済むのは助かるなあ。しかし、何の予備知識もないままに読み始めたのであった。近藤史恵さんはよく知ってるつもりだったけどさ。

若いサラリーマンが主人公。彼は、大好きな女の子と結婚して、今でもその子が大好き。その子は、主人公の働く会社のあるビルの掃除婦をしている。自分の仕事に誇りを持った、若いかわいい女の子。

その彼女がモップの精らしい。イケメンの夫を持つ、あんまりパッとしない女性に夫の素行調査をしてくれと頼まれる。とても誠実でまじめな女性なんだけど、なぜ、彼みたいなイケメンが自分と結婚してくれたのかよくわからないんだそうだ。そして、少し怪しい行動もあるので、同じビルで掃除をしている若い女性に思い切って頼んだというわけだ。そこから、物語はややこしくなっていく。いろいろ事件も起きる。

思いがけない方向にストーリーが進行していくのはさすが近藤史恵である。でも、ちょっと現代的なテーマを盛り込みすぎたんだろうか、今一つ、すっきりしない終わり方ではある。

シリーズものだと知らなければ、一番怪しいのはモップの精だとすら思ってしまったよ。

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サワキ

読書と旅とお笑いが好き。読んだ本の感想や紹介を中心に、日々の出来事なども、時々書いていきます。

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