ワールドイズダンシング 1

ワールドイズダンシング 1

2021年11月7日

94 三原和人 講談社

室町時代の猿楽師、世阿弥が主人公の漫画。父は、言わずと知れた観阿弥である。第一巻は、まだ少年時代、鬼夜叉と呼ばれ、芸に思い悩んでいる。

食べ物と寝る場所さえあれば
人は舞などなくても生きられるのに

などと考えていたところへ、ひょんなことで見た名も知らぬ白拍子の舞に魂を奪われ、「よい」などとつぶやいてしまう。体があること、舞を舞わずにいられないこと。そんなことと出会うのが、第一巻である。これから成長して、風姿花伝とか書いちゃうのね、読みたい!!と思った。

人は、食べて寝て生きられればいいのではない。何かを表現したり、楽しいと感じなければ、生きていけない。文化なしに、人は生きられない。コロナ禍で、つくづくと感じたことである。だからこそ、こうした漫画が読みたくなるのだなあ。