「単純な脳、複雑な「私」 または、自分を使い回しながら進化した脳をめぐる4つの講義」 池谷裕二
「海馬」も面白かったけど、これもすばらしい。自分の母校の高校生を相手にした講義がもとになっている。だから、とても分かりやすい。池谷さんによれば、高校生に分かるように、かなり思い切った省略や論理の飛躍、冒険も含まれているそうなのだけれど。
脳には、驚くべき単純性と、そこから創発される複雑性が共存する。・・・・ということが、なーるほど!と、理系音痴の私にも分かるように解き明かされています。
脳には揺らぎがある。なぜ、揺らぎがあるといいのか、という説明に、えさを発見したアリの行列が例示されます。たまに、揺らぎのある変なありがいた方が、実は、より合理的な筋道が発見される可能性がある、と。
なんだか、勇気付けられますなあ。変なアリ、のわたくしとしては。
この本で説明されている脳の不思議な現象は、ウェブサイトでも確認できます。なかなか面白いので、良かったら、みてくださいね。(単純な脳、複雑な「私」 で検索できます。)
2009/8/4