「墨攻」劇画版 酒見賢一原作 久保田千太郎脚本 森秀樹作画
つ、ついに劇画に手を出してしまいました。っていうか「劇画も気になるよねー」と口に出したら、その瞬間に、アマゾンに注文してしまった夫です。さすがにおっかないので、第一巻目だけ。
絵柄は、大友克弘の影響を感じるような、ちょっとグロテスクな感じがあります。丁寧だけど、生々しすぎるかな。一巻しか読んでいないけれど、なるほど、映画の元になったのはこれなんだな、とわかります。酒見さんの乾いた味わいとはぜんぜん違う。山本さんは、これからも影響を受けているし、原作からも引っ張ってきていると思う。もう、こうなるとごちゃごちゃでございます。山本版を評価しようと思っても、原作とこの劇画が先行したとなると、オリジナリティという部分では、かなりまずいんでないかい、と思えてきました。
しかし、ここまでいろんな広がりを見せてしまう墨攻、ただものではありません。それが、酒見氏のフィクションから始まったのだから、やはり、すごいのは酒見氏というべきでしょう。あっぱれです。
2007/3/4