天使を呼ぶ魔法、教えます

天使を呼ぶ魔法、教えます

2021年10月7日

79 白石冬美 大和出版

白石冬美は声優、ラジオパーソナリティ。「作家と猫」を読んでいたら、この白石冬美さんがラジオで話していたことが載っていたので、気になって彼女の著作を探し、図書館で唯一見つかったのがこの本。猫の話は載っていなかったけど、レミちゃんの話はちゃんと載っていた。平野レミは、チャコちゃん(白石冬美)の天使のひとりだったんだね。

この本はとても古くて、チャコちゃんは少女のような人で、「・・・・」が多用される、昔の女学生の日記みたいな本だった。でも、天使のように明るく美しい心を持ったチャコちゃんが書いた本だとしみじみ分かった。

「ナッチャコパック」と呼ばれるTBSラジオの深夜放送が私は好きだった。遠距離通学していた私は、学校から帰ると疲れ切ってしまって、死んだように夕食まで眠った。ご飯を食べてから、やっと受験勉強が始まる。夜遅くまで机に向かい、お風呂に入って、さあ、寝よう、という時にナッチャコパックは始まった。当時のカセットラジオは、ラジオをテープに録音すると、テープが終わると同時にラジオもオフになる。大抵一時間テープをセットして、聞きながら寝たのだが、最後まで聞けたことはなく、寝落ちするのが常だった。翌日、聞きそこなった分をテープを回して聞くのだが、テープは一時間分しか無く、放送時間はもっと長い。なので、最後までは聴けずじまい。それでも、大好きな番組だった。たったひとり、暗闇の中でチャコちゃんの優しい声を聞いていると、私だけに語りかけてくれているみたいに思えたものだった。チャコちゃんの相方のなっちゃんは、私の理想の男性だった。落ち着いて、教養深く、かっこいい人だった。低い声がステキだった。若かったなあ・・・。

チャコちゃんもなっちゃんもお亡くなりになった。そりゃあ年取るわけだよなあ。でも、いまでも私はラジオが好きだ。大勢の人が聞いているのは知っているけれど、何故かラジオは、一人ひとりに個別に語りかけてくる、ような気がする。パーソナリティと聞き手は、個別に深く繋がり合う、ような気がする。ラジオって、そういうメディアなのだと思う。私はラジオが好きだ。

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サワキ

読書と旅とお笑いが好き。読んだ本の感想や紹介を中心に、日々の出来事なども、時々書いていきます。

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