よつばと!10 失敗するのは子どもの仕事 岳13

よつばと!10 失敗するのは子どもの仕事 岳13

2021年7月24日

「よつばと! 10」 あずまきよひこ 電撃コミックス 10

以前日記に書いた「よつばと!」新刊を借りてきました。相変わらず、元気でのびのびとしたよつばちゃんを、周囲の人達が、温かく取り囲んでいます。この本は、実は、ある種の育児書なんじゃないかとさえ思われます。
子どもと向き合うことに疲れてしまった親に、ほっとするものを教えてくれるような。

バランスボールで遊んでいたよつばは、お皿やコップをぶつけて壊してしまいます。とっさに、嘘をつくよつば。

「なんかボールがむこうからとんできて・・・」
「そこのまどがきゅうにばーんてあいてー
しらないひとがぽーんとなかになげてきたんだ・・・」
「そのひとは・・・てじなのひとだったから・・・できた」
「てじなのひとのぼうしをかぶっていたから・・」

そして、本当はよつばはいい子なのだけれど、うそつき虫が入ってしまったから、と説明するのです。
そこで、とーちゃんは、よつばを連れて、うそつき虫を退治に出かけるのですが・・・。

うそつき虫を退治した帰り道、とーちゃんは泣いているよつばを抱っこしながら、こう言うのです。

「お茶碗割ったのは別にいい
窓ガラス割ったのも
コーヒーこぼしたのも 別にいい
失敗するのはよつばの仕事だ
でも 嘘はつくな   な?」

子どもはたくさん、失敗をします。でも、それはまだ経験がないからです。やったことがないことが、あまりにも多いからです。やってみて、失敗して、初めて学ぶのです。それはアタリマエのこと。

でも、子どもは、失敗はいけないことだと思っている。ガラスを割ったりしたら、怒られるに決まっているから、下手な嘘を付く。失敗してもいいと知っていたら、嘘は付かないで済むのです。

いつだったか、お友達との関係があんまりうまく行かなくて、おちびがしょげかえっているときに、私も、間違ったっていい、失敗してもいいんだよ、と言ったことがあります。子どもは、たくさん間違って、失敗しながら、人と仲良くやって行く方法を覚えていくんだから。他のみんなだって、いっぱい失敗したり、間違ったりしているんだよ。お互い様なんだから。だから、自分が間違ったと思ったら、気がついた時に素直に謝ればいいし、相手が間違っていても、自分も間違うもんな、と思って、許してあげられるといいね。まだ、みんな練習中なんだから、と。
そう言ったら、ものすごくほっとした顔になったことを覚えています。
子どもは失敗するのが仕事だ。
と、教えてあげたら、子どもは楽になるんですね。嘘もつかなくて済むし、素直に謝ることもできるかもしれない。それを、覚えておきたい、と改めて思いました。
(引用は「よつばと!10」より)

もう一冊、読んだのは、これ。

「岳 13」   石塚真一 小学館   11

映画化されるんですね。三歩くんが、あんまりイケメンだと、ちょっと困るな。あくまで素朴で無骨な男でいて欲しいです。この漫画も、爽やかで、暖かい気持ちになれます。

追記 2013.1.26 よつばと!11巻読了

2011/4/14