直島へ 6(小豆島へ)

直島へ 6(小豆島へ)

2021年7月24日

最初の予定では、直島の次に豊島へ渡るつもりだった。だけど、直島でアートを堪能しすぎてお腹いっぱいになっちゃったのと、暑さにへばってしまったのとで、予定変更。だって、豊島は直島よりも広いのに、バスがなくて、基本、歩きか自転車だっていうんだもの。さらには、高低差もかなりあるので覚悟せよ、なんてパンフレットに書かれているので、諦めることに。

いや、そもそもが、旅行の計画を立て始めた時は、二日目は小豆島宿泊のつもりだったのね。直島からの船便が少なくて行動が制限されるので、高松に出たほうが臨機応変にどの島にも行けるよねー、なんて話し合って宿泊変更をしただけで。

せっかく高松に来たんだから、と朝食はうどん屋へ。ぶっかけにちくわ天とレンコン天、稲荷をひとつ。朝早いので、開いてる店が少なくて選べなかったのは残念。

準備を整え、港へ。今日は人間だけを運ぶ高速船。フェリーの半分の時間で着いちゃうのね。ばびゅーん、と小豆島の土庄港へ到着。

小豆島で何をするか、な~んにも考えていなかったので、とりあえず観光センターへ。と、観光バスが出るところで、バスガイドさんが、「乗るなら、早く早 く!!」と声をかけてくる。今から三時半までかけて小豆島一周するんですって。ちょっと心が動いたけど、団体行動は苦手な二人。ごめんねー、と通り過ぎ る。

観光センターと書いてあるところは、とどのつまり単なるおみやげ屋さんみたいだったので、もう一度、港へ戻り、バス案内所のおばちゃんにご相談。もう ちょっと待ったら来るバスで、ロープウエイに行くなら、ここで乗り換え、映画村へ行くならずーっと最後まで乗っていて、とレクチャーを受け、一日乗車券を 購入する。それにしても、観光客、全然いないのねえ。

バスに乗り込む。それから一時間くらい、延々乗り続ける。でも、飽きないのよ。知らない島の風景は面白い。のんびりした田舎の風景に、時々海が見える。ゆらゆら揺れているのはオリーブの木か。醤油工場の立ち並ぶエリアもあったりして。

土庄港とは別の港へ行ってから、Uターンして、奥の二十四の瞳映画村へ到着。遠い昔、義母がここへ旅行して、いろいろおみやげを買ってきてくれたことを思い出す。映画村は、昭和の世界。古ぼけた教室、木地のぼこぼこした机、満開のひまわり。


二十四の瞳って、三回も映画化されているのね。「八日目の蝉」も小豆島ロケですって。そういえば、主人公女性は不倫相手の子どもをさらって、船に乗って島に逃げたんだっけ。

離れた場所にある分教場も見学できますっていうチケットだったので、分教場を目指して歩き出すと、これが遠くて、暑くて。途中、ボンネット型の古ぼけたバスが停まっ てるのを見て、あんなのもあるのねー、なんて言っていたら、その後、それに追い越される。分教場経由で港まで行く無料バスだったんだって!!乗ればよかっ た。

ヒイヒイ言いながら、分教場へ。結局、古い教室ってことですな。暑さに喘ぎつつ、バスを待ち、次を目指す。

次の目的地はマルキン醤油工場。バスの中は、何故かひとり旅のアラサーっぽい女性が多い。そういえば、船で一緒だった人や、さっきのバスで見かけた人、歩いていて追い越された人など、何人か顔を覚えちゃいそう。
「八日目の蝉の影響じゃないの?」
なんて夫とヒソヒソ。不倫から逃げてきたのかなあ、なんてゲスな想像をしてしまう、いけない我々。子連れじゃないけど。

バス停を降りると、もうお醤油臭い。そこら中にお醤油をこぼしたの?みたいな匂いに包まれる。工場見学のチケットを買うと、ひと瓶ずつ、お醤油をプレゼントされる。

なんで小豆島でお醤油?と夫が案内嬢に尋ねる。

そもそも、塩田がありましたからね。昔、大阪城の石垣のために、小豆島からいっぱい大きな石を船に積んで行って、帰りに空っぽになった船に、大豆やら小麦やら醤油の原料を積んで帰ってきたらしいですよ、と。


大きな樽やら、醤油を絞る仕掛けやら、昔の醤油づくりの行程が見られるようになっていました。

そこを出て、お向かいの土産物屋で醤油ソフトクリームと、醤油ラムネにチャレンジ。ソフトクリームは、普通の味なのに、飲み込んだ後の後味がお醤油。ラムネはよくわからなかったなあ。

近代工場も、上からちょっと覗かせてもらいました。そして、また、バスを待ち。

最初に乗ったバスがオリーブ記念館というバス停を通っていたので、そこに行こう、ということに。オリーブヶ丘とオリーブ公園口という停留所の間に、坂を登ったサン・オ リーブというバス停があったはずなのに、バスは上に登らず、素通りする。慌てて降りる。もう一度、反対側のバスを10分も待って乗ってみても、また素通り。運 転手に尋ねると、上に登るバスは一日三便限定なんですって。

仕方ないので、坂をえっちらおっちら登ると、途中に小さなそうめん屋さんが。店先にテーブルが出ていて、そこで何人もがそうめんをすすっている。直売所には何人もの人が並んでいる。

ここはうまいかも、と夫が言うので、覗いてみる。そうめんしかできませんけど、と言われ、庭先のテーブルに座る。。次々とそうめんを買うお客さんが車で乗 り付ける。「たいへんお待たせしました」と出されたシンプルなそうめんは、冷たくてややコシが強い、なかなかのお味。食後にそこでそうめんを一箱購入。ネット販売は していません、と貼り紙がしてあった。

それから、オリーブ記念館とやらへ。オリーブの栽培って、昭和に入ってからだよね、なんて夫と話していたのだけれど、どうやら明治初期から栽培の試みは始まっていたらしい。そんな歴史的展示物と、後はオリーブ関連の土産物が並んでいる。

アンチョビを詰めたオリーブと、パスタソースを購入。それから、オリーブサイダー。あんまりオリーブっぽい味ではなかった。暑さに負けて、苺氷。これは、苺の果肉を凍らせて氷と一緒に削ったらしく、フルーティで美味しかった。

イサム・ノグチの遊具があるというので、暑い中、頑張って丘を降りて行くけれど、道がわからない。ギリシャ式風車を発見。地図によると、この近くにイサムノグチもあるはずなんだけど、道がないのよー。というわけで、バス停に出てしまう。バスの待ち時間があるので、大きな土産物屋のようなところへ行ったら、その先にイサム・ノグチがあって、あらまあ。

そこから、バスに乗って土庄港に戻った。そういえば、小豆島には世界一小さい海峡がある。バスを降りてまでは見なかった。川のように見えるけれど、これは海峡です、というのがあった。島、端っこがちょっとちぎれているのね。

その日は、それからまた高速船に乗って、高松へ。高松の繁華街まで出て高松らしい食事をしようか、なんて言っていたのに、疲れちゃって、またまたホテル内で食事を済ませ、早々に寝てしまいましたとさ。

翌日は、夫は趣味の集まりで淡路島へ、私は高校時代の親友と待ち合わせて熱海へ。家族四人がそれぞれ日本各地バラバラに過ごした日となりました。

以上、夏の旅行の報告でした。
2014/8/12