弱虫ペダル51~64

弱虫ペダル51~64

44~58 渡辺航 秋田書店

前回「弱虫ペダル」50までの感想を書いたのが2017年の6月のことだった。読み始めたのは、さらにさかのぼって2015年だ。一緒に夢中になった娘は、確かまだ中学生だったんじゃないかな。今や大学も卒業して社会人だ。だのに、今回読んだら、主人公の坂道君は高校二年生で、まだインターハイに出場中。ずいぶん時間かかってるなあ。

最初からそうだったんだけど、ほんの数十分間を描くのに何巻も費やしている。ちょっとした会話の一ラリーに、過去の出来事がバーッと織り交ぜられていくから、そうならざるを得ない。夫は中島梓の「グイン・サーガ」のようだ、という。ただ、「グイン・サーガ」は長くなればなるほど内容が薄くなっていったが、「弱虫ペダル」は内容の濃密さが失われていないのがすごい、ですってさ。確かに。私は大西巨人の「神聖喜劇」を思い出したね。あれも、数時間の出来事に大量の情報をぶち込んでくる小説だったような。

これを読んでいると、自転車っていいよなあ、と思う。先日、田中正造に触発されて、渡良瀬遊水地を自転車で一周してきたが、気持ちよかったものなあ。とはいえ、半日走り回っただけで結構くたくたになった。山岳コース疾走なんて、夢のまた夢です。

二年生のインターハイがやっと終わって、今度は坂道くん、MTBに出会ったようだ。これからどんな展開になるのかな。すでに82巻まで出ているというし、まだまだ追いついていない。もう少し読まなくっちゃ。