忍びの国

忍びの国

2021年7月24日

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「忍びの国」和田竜 新潮社

あら大変。もっと前に読んでいたのに、すっかり記録するのを忘れていたわ。今朝、夫に、「あれ、読み終わったけど、感想書いた?探したけどなかったよ」と言われて気が付きました。読み終えて、すぐに夫に本を渡したので、感想を書くのをすっかり失念しておりました。

「のぼうの城」ですっかりファンになった和田竜の本。今度は伊賀忍者の話です。どろろん、ぱっ、って忍術の話というよりは、伊賀忍者の持っている感情の有り様とか、彼らの組織とか、そっちの方が新鮮で実に面白かったのです。

無門というすごいやり手の忍者が、自分が盗んできたはずのお国という女にだけは、からきし弱い所が笑えます。平気で人を殺す、親兄弟でも仲間でも死んだら放っておく、そんな彼らなのに、どこかで人間としてのほころびがあるのですね。

隆慶一郎の死後、もう面白い歴史小説には出会えないと思っていたら、こんな若い書き手が出てきて、おばちゃん、大感激です。

2011/9/9