慣れない事はするもんじゃない

2021年7月24日

旅の記憶が、少しずつ戻ってきました。
というか、体が覚えているのよね、筋肉が。

サワキ家は、スポーツとは無縁な家庭です。オリンピックも、サッカーのワールドカップも、ほとんど見ません。野球も、ゴルフも、相撲も、とんと興味がありません。スキーは好きで、毎冬のように出かけて行きますが、その実態と言ったら、一本滑っては、ふう、と一休み、もう一本滑っては、「お茶しようか」また一本滑っては「そろそろお昼かな」といった具合。やる気に満ちた一般の方と同行すると、相手が怒り出すような殿様スキーです。泳ぐのも好きで、よくプールに行きますが、二往復もしたら、休みに入ります。夫婦で、互いにおちびの面倒を見ながら、片方がコースに出て行くのですが、すぐに譲り合いが始まります。シュノーケリングは、波にたゆたっていさえすればいいので、割に長時間、続きますし、山歩きやサイクリングは、とても好きで、よそ様の何倍もの時間をかけて、ゆっくり、回ります。

そんな我が家が、何をとち狂ったか、北海道のスポーティなリゾートに行ってしまいました。涼しい高原で、サイクリングやハイキングをのんびり楽しもうと言う魂胆でした。でも、どれもインストラクターがついてガイドしてくれるシステムになっていました。道具と地図だけ渡して、後は自由ね、と言うやり方じゃなかったんですね。確かに、マウンテンバイクはなかなか精密な道具ですし、きつい山道を勝手に走られては、事故の元です。山歩きも、クマの生息地だし、道に迷ったり事故にあってはいけないので、トレッキングコーチが案内してくれます。必要性はわかります。でも、わがままで、自分のペースを保ちたい、怠け者のサワキ家には、あまり向かないやり方です。初心者向けに、短い時間で、無理なく教えてはいただけたのですが、午前マウンテンバイク、午後トレッキングで、ビール飲んだら沈没しました。ぐだぐだです。

ホテルの広い敷地内には、パターゴルフやアーチェリーの施設があり、いつでもできるようになっています。屋内には、卓球場やフィットネスジム、プール、そしてプールバーもあります。我が家で唯一体育会系の、おちびはキッズクラブというところに入って、アーチェリーや空中ブランコ(!)、バウンスという逆バンジーのようなトランポリンや綱渡りまで習いました。我々怠け者グループも、気がつけば、卓球に興じたり、パターゴルフのコースを回ったり、アーチェリーで点数を競ったり。父子のビリヤード対決もありました。

とある一日は、なんと、ラフティングにまで手を出してしまいました。十勝川を、ラフティングボートで下るのです。激流を、ギャーッとか叫びながら、全身をドライスーツに包んで。これは、川に落ちても、勝手にプカプカ浮いてくれて、涼しくて、気持ちがよかったです。パドルさえ、こがなければね。

最後に、札幌のギャモンの大会に行きました。部活のため、息子だけ、一足先に家に帰ります。今までにも何度か一人旅をしたこともある子ですが、飛行機に一人で乗るのは初めてなので、なんとも不安そうで胸が締め付けられました。が、本人が選んだことだし、受験前に、こういう経験をしておくのはぜったい役に立つからね・・。と、心を鬼にして送り出したら、なんと、部活がオフになったとかで、帰宅して、一日ごろごろしていたんですって!なんじゃそりゃあ!!

札幌の大会は、散々な成績で、方角が悪いとかほざいて、最終日はふけて、モエレ沼公園へ行きました。ここは、イサムノグチが設計をした、素晴らしい場所です。おちびはめちゃくちゃ興奮して遊びまわっていましたが、突然、スイッチがぷちっと切れて、以後、ぐったり。それを見ている親も、実は、もうへろへろです。夜の飛行機で、半死半生状態で帰って来ました。

楽しかったです、とっても。でも、もう一週間たつというのに、息子は体調を崩して、声が出ない状態です。夫は、肩と背中が痛くて整骨院に通い続けています。私は、ぐじゃぐじゃに疲れていて、椅子に座ったり、ちょっとごろん、とすると、あっというまに、気を失っています。おちびだけが、元気です。やっぱり我が家に体育会系の乗りの旅行は無理だったな・・と夫婦で反省しています。十年分くらいは運動しちゃったわ。

2007/9/2