日本魅録2

日本魅録2

2021年7月24日

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「日本魅録2」香川照之 キネマ旬報社

今話題の香川照之だ。私はこの本の第一巻を読んで、香川照之が好きになった。こいつ、いいやつだぜ。

歌舞伎界に入る件については、ただただ、大丈夫かと心配するばかりだが、聡明な彼が選択したことだから、満身創痍になりながら、戦っていくのだろうとしか言えない。彼はかなりのMと見受けられるので、苦しかったり痛かったりするのも、それなりに楽しんじゃってくれい、と祈るばかりである。

役者としての業の深さと狂気と、他者に対する深く誠実な視線と、自分自身を見つめる恐ろしいほどの強さ。そして、賢さ。こういう自分と対峙し続けるのは大変だろうなあ、と思う。だからこそ、役者になったのだろうし、役者で在り続けることで、自分を向きあうしかないのだろう、彼は。それにしても、歌舞伎。

彼の未来に幸あれと何度でも祈るよ。

それはともかく、この本の中で、彼はとことん西川美和に、「揺れる」に魅了され続けている。そのあまりの深さに負けて、私は本日、ツタヤまでえっちら歩いて行って映画「ゆれる」を借りてきました。ついでに「ディア・ドクター」もね。さあ、見るぞー。

2011/10/6