昔話の教訓

2021年7月24日

「白雪姫って、小人の家に勝手に入って、勝手に寝ちゃって家宅侵入罪だよな。」
「毒りんごから目が覚めたら、王子様のとこに行っちゃうんだから、お世話した小人は、何にもいいことがない。勝手だよね。」
「ってことは、白雪姫は、顔がキレイなだけで、本当は悪いやつだったのかもしれない。」
「おきさきは、悪いやつを成敗しようとしただけなのに、逆にやっつけられてかわいそうな正義の人だったのかも。」

「白雪姫がキレイだっていうのも、怪しいよ。だって、義経だって、本当は不細工な小男だったのに、いつの間にかかっこいい男だったってことにされてる。物語のなかでは、かわいそうな役は、かっこよかったりキレイだってことに後からされることが多いし。」
「鏡が世界で一番美しいと判定したって言うけど、その鏡、お城の中にあったんだし、今までにそんなにたくさんの人を映したことがなかったと思う。」
「鏡が知ってる世界のなかで、一番美しいだけ?」
「と言うより、鏡の好みのタイプだっただけかも。」
「つまり、容姿に惑わされてはいけない、ってのが、教訓。」

「皮付きのままりんごにかぶりつくなんて、お行儀が悪いから、いけないのよ。ちゃんと皮をむいて、芯も取って食べれば、毒は口に入らなかったと思う。だから、お行儀良くしなさいってことだよね。」
「押し売りには気をつけろってのもあるね。見知らぬ人にもらったものを平気で食べちゃいけないよ。」

「王子様が、死んだ白雪姫にキスしたら生き返ったんでしょ?」
「ってことは、死体にキスしたんだ!変態じゃないか。」
「死体愛好家だったんだね。」
「一説には、死体を入れたガラスの棺を小人たちが運んでいて、ぐらって揺れて、それで喉からりんごのかけらが転がり出て、生き返ったって話もあったような。」
「りんごは、丸呑みしちゃいけません、ってことじゃない?」
「よく噛んでたべましょうね、と。」

「ヘンゼルとグレーテルは、悪いお母さんに森に連れて行かれて、置き去りにされるんだよね。」
「紙と鉛筆はいつも持ち歩きなさいってことだよ。地図を描いたり、帰り道の印をつけられるから。」
(と言った息子は、先日、数学の問題を考えながら外出して、ふと思いついたことがあったのに、紙とえんぴつが手元になくて、考えがまとまらず、あーー!と悶えていたのでした。)

「魔法使いのおばあさんが、かまどの火加減を覗いたときに、後ろから突き飛ばして、二人は助かったんだよね。」
「つまり、敵に後ろは見せちゃいけない、と。」

「でもさ、それで家に帰ったって、まだ家にはお母さんがいるんだよね。もう一度同じことを繰り返すだけなんじゃないの?」
「一難去って、もう一難。」
「問題は、根本から解決しなければいけない。」
「というより、森には近づくな、で全部解決するんじゃないの?」
「そりゃそうだ。」

・・なんて話が盛り上がって、すっかり昔話づいてしまった我々は、かぐや姫や桃太郎の話も。といっても、ピカピカ光ってる竹があったので、スパッと切ってみたら、かぐや姫の首が・・とか、桃太郎が真っ二つに・・とか、流血ネタが多くて、とてもお話できませんわ。って、書いちゃってるか。

かぐや姫は宇宙からの侵略者なんだけど、竹に潜んでいたばっかりに、仲間がみんな、すぱすぱとやられてしまって、一人だけ助かった彼女を、宇宙人が助けに来た、というのが真相みたいです。

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2008/12/8