札幌旅行記(その3)

札幌旅行記(その3)

2021年7月24日

五月三日の続き

今度は円山公園目指して歩きます。だいたい、こっちの方向、と道もわからず、ずんずん歩いて行くと、なんと、ちゃんと着くではありませんか。札幌の街って、碁盤の目に出来てるから、ほんとに分かりやすいです。

円山公園は、まだ桜が咲いていません。だって寒いのよ。二十度は軽く超えていた初夏のような兵庫から、五度しか無い札幌へ飛んで、我々はブルブル震えています。だのに、札幌市民は、桜なしで、野外宴会をやってます。炭の匂いがもうもう。みんな、ジンギスカンやバーベキューを囲んでいます。花はなくても、この季節、こうやって花見もどきをするのが札幌なんだそうです。あんまりみんな楽しそうなんで、「やあ、どうもどうも」と知り合いのふりをして何気なく入っていったら、ビールの一杯もさり気無くごちそうになれそうでしたが、やらずに我慢しました。

私は、子供の頃、二年間だけ札幌に住んでいました。あの頃は、北海道神社のお祭だと、学校がお休みになったんです。いま思うとすごい話だわ。その時に、私は生まれて初めて、友達とお祭りに行って、買い食いをしたのですごく覚えているんです。アメリカンドッグが美味しかったなー。

円山公園は、たくさんの木が茂る林の公園と、北海道神宮と、野球場と、動物園があります。川に沿って公園を歩いて行くと、動物園に到着。せがまれて、息子の分だけは、年間パスを買ってやります。(二回くれば、もとが取れる値段。)

円山動物園には、マルヤマンというヒーローがいます。
「シーク、イン」という掛け声で変身するのね。

爬虫類・両生類館がオープンしたというので、それが観たかったのだけど、すごい人気で大行列。一時間待ちだというので、諦めました。

オオワシやイヌワシは、目付きが鋭くて、かっこいいです。やる気のないカンガルーや、元気なサル山などを見て、お楽しみは、白熊の赤ちゃん。バケツの中に入ろうとするんだけど、どうしても入れなくて、転げます。なんどもトライするんだけどね。
「あれは、少し前まではきっと中に入れてたんだよ。体が大きくなって、入れなくなったことに、気がついてないんだ。」
と、夫。なるほど。そう思ってみると、さらに可愛い。
狼は、何を考えているんだろう、と尋ねたくなるような遠い目をしていました。

何故か動物園内に、セブンイレブンがあって、そこで、しろくま模様の鉛筆をおちびは買いました。三本セットなので、二本はお友達にお土産なんですって。

動物園を出て、北海道神宮に向かいます。子供の頃に行ったはずなのに、全然記憶に残ってない。というより、こんなに綺麗じゃなかったように思います。きっと変わってしまったのね。お参りをして、駅の方へ向かいます。屋台が出ていて、ちょっとしたお祭りのようです。とうきびとか、串刺しの揚げたじゃがいもとか、北海道っぽいものが売られています。

とにかく寒いので、大きな通りにあるカフェに入って、お茶を飲みました。せっかくだからめずらしいものを、となにやら洒落のめした名前のハーブティを頼んだら、これが割と失敗で。ポットで来たのに、たっぷり残してしまいました。すみません。

夜は、円山公園近くの「とらや」というお料理屋さんです。
野菜料理が美味しいと評判だそうで、夫が見つけて予約を入れておきました。
個室を用意してくれていたので、なかなか落ち着けます。
お料理は一品ずつ、ゆっくり出されました。
たとえば、こんなの。

銀杏や、蕗や、筍、アスパラなどが和風におだしで味付けられていて、繊細なおかかがのっています。
ぽっちりずつ、いろんな食材をいろんな味で食べるのが好きな私には、とても幸せな食事でした。
最後には、土鍋炊きの山菜ごはんが出て、食べきれない分は、お持ち帰り用に包んでくれました。

食事をしながら、夫と息子が、珍しく、突っ込んだまじめな議論を繰り広げていました。議論は白熱していましたが、おちびは「わかんなーい!つまんなーい!」と抗議しておりました。ま、たまには親子で深い話も大事ですってば。

そんなこんなで、帰宅しましたが、その後、息子はまたまた大学に、ショウジョウバエのお世話に。生き物相手の実験は大変です。結局、息子が帰ってきたのは、日付が変わってからでした。

2011/5/20