正しい恨みの晴らし方

正しい恨みの晴らし方

2021年7月24日

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「正しい恨みの晴らし方」中野信子 澤田 匡人

ポプラ新書

 

「ネガティブ感情をコントロールできれば自分の力をより発揮できる!」という謳い文句なのだけれど。正直、読んでみて目新しい発見は殆どなかった。経験的に、「そうじゃないかな・・・」と思っていたことが、どうやら心理学的脳科学的にも正しいらしいぞ、とわかったことはいくつかあったけれど。
 
例えば、嫉妬心とい言うのは、女が強いとされているけれど、実は男のほうが強いのである、とか、自己肯定力があれば、妬みは少なくて済む、とか、正義や正しさに依拠している方が実はいじめ的な行動に繋がりやすいのである、とか。
 
ネガティブな感情をもつことで、実は人は強くなるのだが、強くなりすぎても困るから、罪悪感が起きるようにできている、ということらしい。それから、脳は、割にエラーを起こしやすい、拙劣でバグだらけの器官ではあるけれど、ハードウエアを更新しなくてもソフトウエアを載せることができるので、大きく変化しなくても認知は変えられる。そこが希望の持てるところである、と。
 
結局のところ、正しい恨みの晴らし方なんてものは、読んだところでわからないのであるなあ、と思ったのだった。

2015/7/15