眠れない夜には星を数えて

眠れない夜には星を数えて

2021年7月24日

「眠れない夜には星を数えて」 吉野朔実 大和書房

「本の雑誌」で読書に関する漫画エッセイを連載している人です。本業の漫画でも、なかなか深い面白いものを描いていらっしゃいます。でも、この本は、挿絵こそありますが、文章で勝負しています。それがまた、軽いけれど、なかなか面白い。

「あなたは、一人で砂漠を旅しています。
連れはサル、牛、馬、ライオンの四匹です。
旅を続ける為に、一匹ずつ捨てていかなければならなくなりました。
あなたは、どの順番で捨てていきますか?」

(「眠れない夜には星を数えて」吉野朔実 より引用)

最初のエッセイに載っている問題です。
私は、まずライオンを捨てます。
だって、噛まれそうで怖いんだもの。
それから、サルを捨てます。
話し相手になりそうだし、旅の無聊を慰めてくれそうだけれど、役には立たないかもしれないので。
次は、牛と馬で悩みます。
牛は食べられるから、馬は、乗れるから。
散々考えて、先に牛を食べちゃいます。
そして、馬に乗って、砂漠を越えるのです。

夫に聞いたら、
1.みんなで牛を食べる。
2.みんなで馬を食べる。
3・みんなで猿を食べる。
4.最後に、ライオンに食べられる。
ですって。

ライオンは「プライド」、サルは「友達」、牛は「家族」、馬は「仕事」の象徴だそうです。

いえね、別に心理テストの本じゃないですよ。
でも、こんな究極の選択に出会ったとき、何を考えるか、みたいなことが元になったエッセイが多いです。
サラッと読めるけど、結構面白かったです。

2011/2/10