道東旅行記 三日目

道東旅行記 三日目

2022年10月19日

本日は観光バスにて知床半島観光。宿の入り口までバスが迎えに来てくれる。昼食は各自持参のこと、というので近くのセイコーマートでおにぎりを買う。筋子、鮭など、ちょっと北海道っぽいものが楽しい。

観光バスは八人ぐらいしか乗っていない。今日はお天気でよかったとバスガイドさんが力説する。曇っていると羅臼岳が全く見えなくて何をガイドしていいやらわからなくなるんだそうだ。霧で有名な摩周湖よりももっと霧の日が多くて、羅臼岳が見えるのは年間三分の一程度らしい。今日はくっきりと羅臼岳が近くに見える。ここら辺はクマの生息地ですからね、と言っているそばから、道を子熊が横切っていく。びっくりするなあ。

バスは知床横断道路を走っていく。私は子供のころに知床に来たような記憶があるが、ここは知らないなあ、と思っていたら、この道路ができたのは私が札幌を去った後なのね。じゃあ、来てないよなあ。バスは羅臼町と斜里町の境目に着く。バスを降りるとガイドさんが国後島が見えると教えてくれる。

国後島は思ったよりもずっと近くに見える。こんなに近いのになあ。少し前までは、元島民の皆さんが墓参団として里帰りしていたそうだが、ウクライナ戦争以後、それもままならなくなったという。故郷に帰れないなんて。

バズは横断道路を戻って知床自然センターへ。そこから希望者はフレペの滝まで約20分ほどの遊歩道を歩く。もちろん、私たちも歩く。フレぺの滝には川がない。知床連山に降った雪と雨が地下に浸透し、垂直に切り立った断崖から流れ落ちている。ホロホロ流れ落ちるさまが涙に似ていることから、地元では「乙女の涙」と呼ばれているという。

知床自然センターで持参したおにぎりを食べ、知床の自然を紹介した映画を見る。それから、知床五胡へバスで移動。知床五胡では、そのままバスで帰る人は木道から二つの湖を見学することになる。が、ここで自由解散を希望すれば、五つの湖を自分のペースで歩き、あとは路線バスに観光バスのチケットを見せれば乗って帰れるのだそうだ。ただし、路線バスの本数は少ないので気をつけてね、と言われる。というわけで、我々はここで観光バスを離脱することを決意。ガイドさんが、お土産だと言って飴の入った小箱を二つ、くれる。飴、食べないんだけどなあ・・。

知床五胡を歩くためには、まず10分間のレクチャーを受けねばならない。内容は、簡単に言うと、クマと会わないにはどうしたらいいか、会ってしまったらどうしたらいいか、のご指導である。クマはとてもとても鼻がいいので食べ物を持っていると来ちゃいますよ、と言われる。私たち、飴の箱を持ってるんですが、というと係員がジップロックをくれる。それに入れて、しっかりジッパーを占めて、匂いが漏れないようにしてください、だって。ガイドさーん、なんで今さっきこれをくれたの?

さて、知床五胡である。レクチャーを受けたので、時々手を叩いたり、ほーいほい、と声を出して、クマに我々がいることを教えながら歩く。静かで自然豊かで隔絶された場所だ。

五湖のうち、三つを回ると、残りの二つの湖にはクマを完全防御する木道が設置されている。安全だけど、なんか興ざめかも。

木道をとおってバス停に戻り、本数の少ない路線バスを待って宿に戻った。たくさん歩いて疲れたけれど、豊かな自然はやっぱりいいものだなあ。

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サワキ

読書と旅とお笑いが好き。読んだ本の感想や紹介を中心に、日々の出来事なども、時々書いていきます。

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